TUFS Cinema パレスチナ映画特集『採集する人々』上映会を開催
2025.11.12
2025年10月25日(土)、アゴラ?グローバル プロメテウス?ホールにて、TUFS Cinema パレスチナ映画特集『採集する人々』の上映会を開催しました。
本作品は、イスラエル占領下で、「自然保護」を名目に厳しい規制と監視をうけながらも季節の食材である野草の採集を続けるパレスチナの人々に焦点を当て、占領者による文化の略奪に抗い、したたかに暮らしを紡ぐ人々の姿を描き出した映画です。本作品は、ゴラン高原(イスラエル占領下シリア領)、ガリラヤ、エルサレムの3地域を舞台に、ドキュメンタリーフィクション、アーカイブの複数の映像手法を行き来しながら、軽妙なユーモアと瞑想的なテンポで描き出しています。
本編上映後、まず、本作品の配給をされている「本庄からパレスチナへの会」の遠藤徹さんから、作品との出会いやジュマーナ?マンナーア監督とやりとりされてきた経験から作品制作の背景について紹介がありました。次に、本学アジア?アフリカ言語文化研究所の黒木英充教授から、レバノンやシリアも含めたより広い中東地域研究の視点から作品の背景にあるイスラエルによるパレスチナ占領の歴史について、またパレスチナの食文化について解説がありました。さらに本学卒業生の渡辺晴海さんから、在学時から取り組んでいるパレスチナとの連帯活動の紹介と、また出身の新潟県での山菜採集の経験も踏まえながら、暮らしの視点から見た人と土地(自然)とのつながりについて日本との共通点の指摘がありました。その後、司会の本学総合国際学研究院の大石高典准教授を交えた4者によるトークセッションが行われました。
上映会全体を通じて、パレスチナの食文化やイスラエル/パレスチナ紛争の歴史的背景への理解が深まる内容となりました。あいにく当日は雨天でしたが、会場には学内外から188名の参加があり、大変盛況な会となりました。